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白でもなく黒でもない

素(白)人と玄(黒)人の間にいる僕自身が、白黒はっきりさせずに曖昧な感じで気楽に、方向性を決めない雑記ブログを目指します。

真空を作り出す方法について調べてみました

生産技術に関する事

はじめに

真空について調べたことがなかったので、基本的なことをまとめてみます。勉強の参考になれば幸いです。
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真空について

真空ポンプと真空エジェクタと真空ブロア

真空状態を作り出す方法としては、真空ポンプ、真空エジェクタ、真空ブロアを使用する方法があります。

真空ポンプにはスクリュータイプ、ベーンタイプ、油回転タイプ、水封タイプ等があります。真空エジェクタはコンプレッサーで作った圧縮エアを使用する事で真空状態を作るものです。真空ブロアはポンプに似ていますが、到達真空度が真空エジェクタと同様にあまりでません。

1.到達真空度
到達真空度の用語の定義はJISにより下記の様に定められています。

  • 低真空:100 Pa以上
  • 中真空:100~0.1 Pa
  • 高真空:0.1~10-5 Pa
  • 超高真空:10-5 Pa以下

真空ポンプであればものによっては超高真空まで得ることができます。一方、真空エジェクタや真空ブロアでは低真空までしか得られません。真空エジェクタや真空ブロアでは9000Pa程度の真空度(大気圧は101300Pa)までしか得られません。

2.排気速度
排気速度とは所定の真空度を作り出すまでの早さです。排気速度が遅いと万が一エアがリークした場合や、真空搬送用途の場合では多孔質ワークなどの場合に、目的の真空度が得られなくなります。

3.省エネ性
真空ポンプと真空エジェクタを比較した場合、能力に大きな差がない限り、真空ポンプの方が省エネになります。なお、これは厳密に計算した結果ではないですが、真空ポンプを扱っているメーカーさんから聞いた内容です。

真空ポンプと真空エジェクタ、真空ブロアの使分け

真空は真空搬送、脱泡、真空乾燥、真空蒸着、などなど様々な用途で使用されます。その中でもよく使う技術として真空搬送について考えたいと思います。

真空ポンプはタイプによって低真空から高真空まで得ることができます。また、排気流量も幅が広くあるため、用途としても幅広く使用する事ができます。真空搬送に使う事も可能ですが、真空搬送に真空ポンプを使用している例をあまり見たことがありません。

真空エジェクタと真空ブロアは到達真空度があまりでません。そのため、真空搬送が主な用途です。搬送ワークが多孔質体など、吸盤の密着性が悪くエアのリークが多い場合は、真空エジェクタでは真空度が得られないため真空ブロアが適しています。

真空エジェクタと真空ブロアの真空度比較

真空ブロアは吐出用途でも吸引用途でも使用可能。そのため、カタログには吐出と吸引の圧力表示があります。吸引側での真空度をエジェクタと比較すると大まかな目安として下記の様になるようです。真空度ではエジェクタの方が得られますが、排気速度ではブロアの方が上となります。より高い真空度、排気速度を求めるならば真空ポンプという選択肢になると思います。

  • 真空ブロア:-50~-30kPa程度(製品による)
  • 真空エジェクタ:-90kPa~-50kPa程度(製品による)

真空エジェクタは圧縮空気を使用してプッシュ・プル方式で吸着を行いますが、排気速度以上の圧縮空気使用量が必要になります。
真空エジェクタの様な使い方のポンプに「VMECA タートルポンプ」というものもある様です。仕様をざっとみると、真空度はエジェクタと同程度で、排気速度はエジェクタよりもあるようです。

絶対圧力とゲージ圧力

絶対圧力は絶対真空を0とした圧力表示で、絶対圧力で大気圧を表すと101.3kPaとなります。
ゲージ圧力は大気圧を0とした圧力表示で、ゲージ圧力で絶対真空を表すと-101.3kPaとなります。

絶対圧力とゲージ圧力の換算方法について

絶対圧力で30kPaの場合、これをゲージ圧力で表すと-71.3kPa(=30kPa-101.3kPa)となります
メーカーにより圧力の表示方法が異なるため、少し注意が必要です。また、ゲージ圧で表現しているのにマイナス表示されていない場合もあります。これはメーカーカタログを注意して読むしかありませんが、機器の能力が大体分かっていれば間違うこともないと思います。マイナス表示されていない場合としては、「負圧」や「真空圧」などの表現を使っていることがあります。この他、見分ける方法としては、到達真空度に「~以上」と書かれていたり、常用真空度に「~以下」と書かれている場合はゲージ圧表現なのにマイナスが抜けています。

真空用チェックバルブ

ひとつの真空発生装置(エジェクタ、ブロア、ポンプ)から分岐して複数の吸着パッドを接続する場合、ひとつでも吸着できていないパッドがあると他のパッドでも吸着能力が大幅に低下します。それを防止するために使用されるのが真空用のチェックバルブです。吸着していないパッドでの空気の流れを最小限にすることで、他のパッドの吸着能力を低下させないというものです。

真空エジェクタのランニングコスト

搬送用途として真空を作る方法としては、真空エジェクタ、真空ブロア、真空ポンプ、(タートルポンプ)がありますが、必要な能力以外に導入コスト、ランニングコストを考慮する必要があります。
そのうち、真空エジェクタを使用する場合はエジェクタ本体に電気は使用しませんが圧縮空気を使用するため、その費用の目安は下記により求めることができます。

圧縮空気原単位(円/L)=[モーター出力(kW)×電気料金単価(円/kWh)]÷[モーター効率(%)×吐出空気量(L/min)×60

例えば、37kWモーター、モーター効率90%、吐出流量5400L/minのコンプレッサーで、電気料金20円/kWhの条件で圧縮空気を作ると、1L当りの圧縮空気の値段は0.0025円/Lとなります。この空気を真空エジェクタで使用した場合、エジェクタの使用流量が100L/minとすると0.25円/minとなります。

さいごに

今回は真空ポンプ、真空エジェクタ、真空ブロアの比較をまとめてみました。ご参考までに。