目指せ!超・雑記ブログ

備忘録的なブログ。考えたこと、経験したこと等を書いています。

エアシリンダをショックレスで駆動する方法

はじめに

エアシリンダは駆動時と停止時にショックを生じるけれど、それを与えずにシリンダを駆動させる方法についてまとめます。普通はショックアブソーバを使って停止時の衝撃を抑えたりはするけれど、それ以外の方法についてです。
これがきっかけになって面白いアイデアが生まれるといいと思います。
f:id:r-w:20170130225418j:plain:w300

ショックレスでエアシリンダを駆動する

サインシリンダ

(株)SMCのカタログに載っていたシリンダ。これはショックを嫌うワークの搬送用途に開発されたものらしい。
構造としては、内部のクッションリングに設けられた絞り溝の深さが、ストロークによってsin関数で変化することで低加速・低減速するシリンダ。

ショックを嫌うワーク搬送の場合は、低速駆動用のシリンダを使用するけれど、このシリンダを使うことで最高速は一般のシリンダと同じを維持したままで、ショックレス駆動を実現できる。これにより低速駆動用シリンダを使用するよりもサイクルタイムを短くすることができる。

ショックアブソーバが要らないのでメンテナンスは楽になると思う。アブソーバの取り付け方を考えなくていいし、装置として少しは簡略化するのかな。
また、エアシリンダ駆動開始時の急加速によるワークのスリップも軽減されるだろうから、ワークの位置決めも楽になるかも。

(メーカー) (株)SMC

ショックレスバルブ

CKD(株)で取り扱っているバルブで、普通のエアシリンダのショックレス停止を行うためのもの。
停止時のショックをなくすためのもので、開始時のショックは抑えるためのももではないけれど、ショックアブソーバの代替にはなり得る。

動作原理としては以下の通り。

  1. 大気解放で排気しエアシリンダを高速動作させる
  2. エアシリンダの動作途中でバルブを切替え、バルブ内の内部エア回路を切替る
  3. 切替えた先のエア回路にあるリリーフ弁で排気に背圧をかける
  4. 排気背圧によりエアシリンダは減速し、終端で停止する

ちなみに、この原理であればショックレスバルブを使わなくても、自分で同様のエア回路を作ることで減速停止させることは可能。
ショックレスバルブではなく、エア回路で減速停止させることが必要なケースとしては、防爆対応が必要なときが考えられる。ショックレスバルブに使用されている電磁弁が防爆対応でない場合は、エアオペレートバルブを使用してオールエア回路を構成する必要があるからだ。

減速回路は別の記事で書こうと思うけれど、この様な便利なバルブユニットは減速回路の原理を知った上で使った方がいいと思う。

(メーカー) CKD(株)

クッション機能付スピードコントローラ

サインシリンダやショックレスバルブと比較して、簡単に、手軽にエアシリンダのショックレス停止を実現することができるスピコン。小径サイズしかラインナップされていないが、既存のスピコンから置き換えるだけで使用することができる。

原理としては、エアのタイマー回路でスピコン内部の回路を切り替え、任意の位置で速度を変えるというもの。エアのタイマー回路なので厳密に「〇〇秒後」という指定はできない。

このクッション機能付きスピードコントローラもショックレスバルブ同様に、自分でタイマー回路を作りエア回路を切替えれば実現することはできる。ただし手間を考えるとこのスピコンを使った方が安上がりだと思う。

クッション機能付きスピードコントローラの調整には若干の慣れが必要。絞り量を決めるネジが3つあり調整が若干難しい。簡単に調整できそうに思えてしまうため生産現場で勝手に操作されてしまい、クッション機能が効かなくなるケースも考えられる(というか、そのケースを経験した)。

(メーカー) (株)日本ピスコ

さいごに

ショックレスでエアシリンダを駆動させる方法はこの他にもあると思う。面白いものが見つかれば追記していこうと思う。
ところで、ここで挙げた様な便利なユニットがあるとそれに頼ってしまいがちになる。けれど、エア回路を工夫することでこれらに頼らなくても実現できることを忘れないようにしたい。