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白でもなく黒でもない

素(白)人と玄(黒)人の間にいる僕自身が、白黒はっきりさせずに曖昧な感じで気楽に、方向性を決めない雑記ブログを目指します。

品質検査の自動化で出来るようになること~品質検査の価値についての備忘録~

はじめに

人が行っている品質検査を自動化して出来るようになること、それについて考えたことを備忘録としてまとめます。
(参考:「先端的外観検査技術に関する調査研究報告書」(社)日本機械工業連合会、(社)日本オプトメカトロニクス協会)
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価値のある品質検査とは何かを考える

その0) 検査とは何か。何故検査は必要なのか。

  • そもそも検査自体は付加価値を生まない。検査不要で完全良品に越したことはない。
  • 検査の目的は不良品の市場流出の未然防止、製品の誤動作の未然防止。
  • 不良品が市場へ流出することによるブランドイメージの損害は、売上の20~30%程度に及ぶという試算がある。
  • 検査の持つ意味はコスト削減ではなく、市場に対する責任だろう。そのためのに検査力を向上させるためには、検査方法の改善で検査精度を上げるか、検査に多くの時間を投入する必要がある。測定器具の発展で検査精度は向上できるが、検査に多くの時間を投入することは製造コストを増大させる。製造コストを上げずに検査力を向上させ、市場に対する責任力を引き上げるために検査の自動化が必要になる。
  • 未検査で市場へ流していた製品に対して自動検査を取り入れる場合、コスト高になるのは当然。この場合は不良を流出させた場合に生じる潜在的なコスト(売上の20~30%)に対して費用対効果を考えなければ成立しない。

その1) マハラノビス・タグチシステムについて

  • 人による外観検査(見た目の検査)は官能検査と呼ばれ、数値化できない特性を人の感覚に頼って良否を判定するもの。言い換えれば、外観検査は特定の計測値(特性値)だけで良否が判定されるものではなく、複数の特性値を複合的に捉えて良否を判定するもの。
  • 複数の特性値を多次元的に捉えて、良否判断を数学的に下す方法としてMTシステム(マハラノビス・タグチシステム)がある。
  • MTシステムでは、複数の特性値からマハラノビス距離を算出し、マハラノビス距離に対して閾値を設定する事で良否の判定を行う。良品ではマハラノビス距離は1に近付き、不良品であれば1より大きくなる。
  • MTシステム自体の実施例は2006年時点ではまだ少なかった。
  • MTシステムを取り入れる場合、良否を判断するのに適した複数の特性値を選びだすことが重要になる。

その2) 全数検査による選択勘合(最適な部品組合せ)

  • 複数の部品を組み合わせて製品としその良否を判断する場合、個別の部品毎に良否を判断するのではなく、MTシステム的に処理することで製造コストの削減が期待できる。
  • 個別の部品毎の特性値を多次元的に処理し最適な部品組合せを行うことで、従来部品単品の検査では公差外として不良品として処理されていた部品も、その他の部品の組合せによっては最終製品では良品となる場合も存在する。例えば、太い軸には大きな穴、細い軸には小さい穴という組合せ。
  • 選択勘合を行うことで製造コストの削減だけではなく、製品の品質の向上も期待出来る。精密ベアリングの製造工程に取り入れられているらしい。

その3) 品質検査員の削減

  • 品質検査に専門で従事している検査員がいて、その人を完全に削減できれば、費用対効果は生まれるが、現実的には「ながら検査」(作業しながら検査(確認程度)をする)が多くあり効果は出にくい。
  • 確認作業は検査と分けて考えるべき。確認程度では市場に対して責任をとれるレベルではない。

その4) トレーサビリティ、個別管理の確立

  • 検査済みの製品に対して、レーザーマーカーまたはインクジェットプリンターを用いてロット番号またはシリアル番号を印字すれば、問題が発生したときに追跡調査が出来る。
  • 製造工程でシリアル番号を印字し、その結果を後工程で読み取ることで、製品の等級分けや、加工量等の条件分けが出来る。これは人による検査では実現出来ないことだろう。

その5) 兆候管理と事前対策

さいごに

価値のある品質検査については常に考えていきたいと思う。